床ずれ

床ずれは在宅看護などで寝たきりの状態が続くと、腰骨、かかと、ひじ、肩周辺の皮膚や筋肉に体圧がかかることで、血流が妨げられ皮膚がただれて壊死(えし)してしまう状態です。重度の床ずれは、皮膚に数十センチの穴があくこともあり、感染症を引き起こし生命に危険が及ぶ恐れもあります。床ずれ患者は全国で12万人以上いると予測されており、介護する家族の高齢化、床ずれ治療の専門知識を持つ医療従事者の不足などの社会的問題まで浮上してきています。床ずれは、寝たきりで栄養状態が悪い患者に発症しやすく、こまめに体の向きを変える体位変換、体圧を分散する防止マットの使用、皮膚ケアや栄養管理、などの床ずれ予防と治療が必要になってきます。
突然、在宅介護が必要になる場合もあるかもしれませんし、その可能性のある家庭では、介護する家族が床ずれの知識を持ち、しっかりと床ずれの予防をすることが大切になってくるのです。

床ずれ防止

床ずれ防止のためには予防策が大切です。寝たきり患者のケアにあたる人が、細心の注意を払うことで、ほとんどの床ずれは防止できます。寝たきりの人や車いす生活の人の皮膚を毎日ていねいに調べることで、皮膚が赤くなっていたり色が変わっているのは、床ずれの早期段階のサインです。皮膚が正常な色に戻るまでは、体の位置や向きを変えて患部を圧迫しない姿勢にしておく必要があります。皮膚が湿っていると床ずれが出来易くなるので、常に清潔で乾いた状態を保つようにします。かかとやひじのように骨ばった部分は、スポンジ状の被覆材を使って骨が突出している部位を保護することも効果があります。ウレタン製の体圧分散マットレス、ベッド、座布団、クッションなども床ずれ防止に効果があります。
また、床ずれにマッサージは厳禁です。体を移動させる時は引きずらず、少しでも体を浮かせるようにしましょう。介護する人が一人で悩みを抱え込まないで、専門医や訪問看護師、ケアマネジャーなど専門家に相談しアドバイスを求めるようにしましょう。

床ずれ治療

床ずれ治療は予防よりもはるかに困難です。初期の床ずれであれば、患部の圧迫をなくすことで自然に治りますし、マットレス等の圧力を調整するだけ治っていくケースもあります。しかし、家族ができる床ずれ治療はここまでです。皮膚が明らかに損傷を受けている場合は、早急に専門医に相談しましょう。一般的には滅菌シートや被覆材で覆う治療が行われますが、深部まで皮膚が侵されたり、感染症にかかっている床ずれには、更に専門的な治療法が必要になります。重度の床ずれは治療が困難となり、外科的な手術が必要になってきます。また、床ずれ治療には「ラップ療法」と呼ばれる民間療法もありますが、その効果は賛否両論で、床ずれの研究を進める学会でもラップ治療は取り上げられておらず、普及しない要因となっているようです。
いづれにしても、床ずれ治療は非常に困難になることが多く、普段から床ずれの予防策をとることが何より大切です。もし、床ずれになってしまった場合は、早期に専門医に相談するようにしましょう。

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